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「漬け」の旨み


漬けると旨みが出るのはなぜ?

最近は塩麹レシピがたくさん出るようになりました。
この発酵食品が醸し出すおいしさは、旨みや甘味が溢れ、慣れ親しんだ味わい、より味わいやすく、より食べやすいものです。

漬けると食材にどんな影響を与えるのでしょうか?
食品に含まれるたんぱく質は、麹菌が持つ酵素の働きにより、旨み成分の中でも最も重要なアミノ酸であるグルタミン酸を主体に20種類以上ものアミノ酸に分解されます。
それによって複雑な旨みとなり、でんぷん質も分解されて糖となって甘味となります。
より体に吸収されやすい成分になるとともに、日本人が慣れ親しんだ独特の風味が増すのです。

肉や魚を漬けるとタンパク質が分解されることで肉質が軟らかくなり、焼いた時にもきれいな焼き色が付くことで、より食欲をそそりますね。

また、乳酸菌や酵母菌の働きで生まれる味や香りも相まって、食材をそのまま食べるよりも、より深い味わいが醸し出されます。

この「醸す(かもす)」という言葉ですが、穀類を麹にし、醸造するという意味で、漬け込むことで、そこに含まれる微生物の働きで素材の成分を分解し、より魅力を増すということになります。

醸すことのメリットはたくさんありますが、例えば、発酵菌が既に繁殖しているところには腐敗菌が増殖しません。
これは、ある微生物の数が多くなると他の菌の繁殖を抑える拮抗作用が働くためです。
そのため、保存性も高まるのです。

ますきちでは、ご家庭で手がかかってしまういろんな漬け込み料理を食べることができます。
漬けのおいしさをぜひ味わってください。

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